ヴァンサン・ドルレアンのレーベル、サン・コモンテールのカタログは、
いまのところ5タイトルがリリースされているようです。
ジャケット・デザインがフランス人らしいお仕事というか、どれも洒落ていて全部欲しくなってしまい、
ヴィユー・カンテのアルバムと一緒に、残りの4タイトルも買っちゃいました。
ざっと紹介すると、13年の初作品となったヴィユー・カンテに続き、
翌14年に、マンデとグナーワをミックスしたユニット、カッサ・カッサのCDシングル、
シュペール・スンジャタ・バンドなどで歌手を務めたフォディエ・サッコのソロ作、
若いカマレ・ンゴニ奏者ジャジェ・シセのソロ作の3タイトルがリリースされています。
そして今年16年に、若いンゴニ奏者カンジャファのCDシングルが出ました。
面白かったのが、このカンジャファことアブドゥライ・コネの作品。
編成がユニークで、主役のンゴニの伴奏に、ヴァイオリン、ウッド・ベース、
カラバシ、パーカッション、男女コーラスが付いていて、
レーベル制作のヴィデオを見ると、まるでダン・ヒックスとホット・リックスみたい。
というのも、ヴァイオリンとコーラスの二人が白人女性(フランス人?)で、
ナオミ・ルース・アイズンバーグとマリアン・プライスがそこにいるかのよう。
ちなみに、ウッド・ベースを弾いているのも白人です。
カンジャファは、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリに影響を受けたといい、
マンデの伝統的なメロディをベースにした自作曲に、
ジプシー・スウィングのサウンドをミックスしているんですね。
そしてまた、カンジャファが弾くンゴニも凄腕で、
鮮やかなフィンガリングで、わずか3弦とは思えないプレイを聞かせます。
まるでコラを弾いているかのようなフレージング、
強いタッチによる音の粒立ちの良さにも感心します。
ロックやブルースのフレーズを取り入れているのも、
今や彼のような若い世代では当たり前ですね。
キメのフレーズがカッコイイ“Keke Magni” では、
ヴァイオリンがソロを弾きながらユニゾンでスキャットしたりと、
聴かせどころを作る曲の構成も巧みで、
これまで誰もやったことがないマンデ・アクースティック・スウィングを聞かせてくれます。
う~ん、フル・アルバムを期待したいですねえ。
[CD Single] Kandiafa "KABAKO" Sans Commentaire SC SINGLE04 (2016)
[CD Single] Kassa Kassa "MBARA MASKINE" Sans Commentaire SC SINGLE01 (2014)
Fodié Sacko "BAROSSO" Sans Commentaire SC02 (2014)
Djadjé Cissé "MAMASSA" Sans Commentaire SC03 (2014)