文化観光大臣になったユッスー・ンドゥール。
音楽活動は休止中と思いきや、ひさしぶりに新作を出すというのは、
任期切れをにらんだ地ならしかという、意地悪な感想しか思い浮かばないのは、
われながら冷淡だなあ。まあ、前にもこんな記事を書いたくらいなので、すみません。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2012-01-18
当方、すっかりユッスー熱も冷めてしまい、
フランス・ソニーからリリースされた新作を一応聴きはしましたけれど、
インターナショナル向け、ありがたいメッセージ・ソング含みの、
文化観光大臣というお立場に沿ったアルバムということで、以上、終わり。
「あ~、つまらん。お前の話はつまらん!」(大滝秀治ふうに)などとボヤいていたら、
セネガル国内向けに、別のアルバムを出してたんですか。
それがタイトルもよく似た、5曲24分弱というミニ・アルバム。
そういえば、ちょっと前にも伝統レパートリーのミニ・アルバムを出してましたっけ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22
あちらのミニ・アルバムは、文化観光大臣らしく民族衣装でしたけれど、
今作のジャケットは、音楽活動再開を予感させる出で立ちです。
内容は、キレのあるンバラをやっていて、おお、いいじゃない!
ユッスーのヴォーカルも、良い意味で力の抜けた歌いぶりに、
ケタ違いのダイナミクスが宿っていて、ヴェテランならではとウナらされます。
こういう充実したサウンドで、伸びやかな歌を聞かせてくれるんだから、
やっぱり期待したくなりますよねえ。
なんでインターナショナル向けでは、これがやれないのかなあ。
だいたい、インターナショナルとドメスティックで使い分けるのって、
イマドキ時代錯誤なマーケティングだよねえ。
なんだか、時代をつかまえそこなってるのを見るようで、ツライものがありますね。
Youssou Ndour & Le Super Etoile "SENEGAAL REKK" Prince Arts no number (2016)