前にリリン・ヘルリナとエリー・スサンの記事で話題にしましたけれど、
イラマ・トゥジュフ・ナダというインドネシアのレーベル、こりゃ、大変ですよ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-01-31
また新たなる1枚を入手したんですけど、
これまたダンドゥットが一番輝いていた80年代サウンドで、もう大カンゲキ。
冒頭の大げさなオープニングがいかにもといった感じで、
いやがおうにも、期待は高まります。
曲が始まってみれば、ぎゅんぎゅんウナるロック・ギターに、グイノリのベース、
その合間をマンドリンとスリンが涼し気に吹き抜け、
手打ちのクンダンがパーカッシヴに鳴り響くサウンドが展開して、
往年のファンは、もう泣き濡れるしかありません。
主役のカニア・パシソのコケティッシュな歌いぶりが、またたまんない。
エルフィ女王様のなまめかしい歌いぶりを思わすところなど、百点満点ですよ。
ノリのいいダンドゥット・サウンドに、チャーミングな歌声が実によく映えます。
一方、しっぽりとした泣きの曲でも、嘆き節をしっかりと歌えるし、
歌唱力は文句なしでしょう。
若手にもこういう人がちゃんといるんですねえ。嬉しくなります。
曲もいいんです。
エルフィ・スカエシが歌ったマンシュール・Sの“Cincin Kepalsuan” や
ロマ・イラマの“Jera” と、昔の曲はしっかり作られていましたよねえ。
ダンドゥットがハウスやテクノを取り込んだEDM歌謡になり果ててからは、
明らかに曲作りの力が落ちたもんなあ。
懐古路線といわばいえ。イラマ・トゥジュフ・ナダのアルバムは全作聴きたいな。
Kania Pasiso "JERA" Irama Tujuh Nada CD7-006 (2015)