バターリング・トリオよりマイっちゃったのが、こっち。
エコーという女性歌手/ラッパーのソロ・アルバムなんですが、
こちらは、ロウ・テープスのオール・スターがずらり勢揃い。
多士済々の面々がプロデュースするサウンドのハイブリッドぶりが、スゴい。
まず、ヤられたのが2曲目の“Come Sit With Us”。
レコードのチリ・ノイズの奥から聞こえてくるのは、なんとフェイルーズの歌声。
いやあ、ドキリとさせられますねえ。
サンプルされたその歌声の神秘なことといったら。やっぱフェイルーズは、マジックだわ。
この曲のプロデュースは、レーベル主宰のプロデューサーでビートメイカーのリジョイサー。
う~ん、さすがだわ。
本作は、プログラミングされたトラックとドラムスが生演奏するトラックが、
違和感なくシームレスに繋がっていくところが、最大の聴きどころ。
ジャズ・ドラマーのアヴィヴ・コーエンが3曲フィーチャーされているとおり、
細分化されたビート感やスモーキーなサウンド・メイクは、
イマドキのジャズのセンスそのもの。
アヴァイシャイ・コーエンと一緒にやっていたアミール・ブレスラーのドラムスや、
セフィ・ジスリングのトランペットなどの生演奏に加え、
ヒップホップのリズム感が生かされていて、この音づくりの巧みさは、ただごとじゃない。
ヒップホップ、ジャズ、ビート・ミュージックなど、欧米の最先端トレンドとリンクしつつ、
イスラエルの独自性をしっかりと発揮する若い才能が、見事に開花した作品。
こりゃあ、ロウ・テープスから、しばらく目が離せなくなりそうですねえ。
Echo "CALLING ON WONDERS" Raw Tapes no number (2016)