キルギスへのイントロダクション オルド・サフナ、グルザダ
キルギス音楽、初体験。 日本口琴協会の直川礼緒さんの招きで、 キルギスの伝統音楽グループがやってくるというので駆け付けた、 11月24日高輪区民センター。 05年に愛知万博で来日したというオルド・サフナは、今回が2度目の来日だそう。 長棹で3弦の擦弦楽器コムズ3人と胡弓クル・クヤック、 チェロに似たバス・クヤックの弦楽器5人に、笛が2人と...
View Article親指ピアニストの朗らかなアフロ・ポップ ルーレンド
パリで活動しているアンゴラ人ディアスポラの親指ピアニスト、ルーレンドの新作です。 前作から10年ぶり、ずいぶんと長いインターヴァルでのリリースですが、 日本盤が出るのは今回が初めて。こりゃあ、めでたい。 拙著『ポップ・アフリカ800』に、01年のデビュー作を載せた時は、 ルレンドと書いたんですが、ライスのリリース・インフォメーションにルーレンドと記され、...
View Article議論はやめ!!! 汚せ!!! 汚せ!!! 脅せ!!! 脅せ!!! オルケストル・レ・マンゲレパ
アフリカのヴェテラン・バンドが、またひとつ復活! 今度はケニヤのマンゲレパですよ。 う~ん、懐かしいですねえ。 36年前、今はなき、高円寺の輸入レコード・ショップ、アミナダブで、 はじめて手にしたケニヤ直輸入のレコードのジャケットを、 クンクンと嗅いだことを、思い出しますねえ。 あの時匂いを嗅いだマンゲレバのLP2枚を、棚から取り出してきましたが、...
View Article春霞に溶けていく歌声 アンディエン
15年ぶりのアンディエン。 もうお母さんになったんだって? 結婚していたことも知りませんでした。 いやあ、歳月は流れるだなあ。 まるでお子ちゃまなアイドル・ルックスのCD表紙に、 買うのをためらったのが、ついこの前のよう。 16歳当時の02年作“KINANTI” には、心底驚かされました。 インドネシアの天才少女という評判に、CDを手に取ってみれば、 幼児タレントか?てな写真にゲンナリ。...
View Article美人妻にボレーロを歌わせて トゥイ・ティエン
すんばらし。 1曲目を聴き終え、タメ息がもれました。 ヴァイオリンがむせび泣くイントロから、 滑り出すように歌い始めるトゥイ・ティエンの歌い口に、はや降参です。 レー・クエンによって、すっかりヴェトナム歌謡の一大潮流となった、 ボレーロ(ヴェトナム戦争前の抒情歌謡)の新作であります。 変形横長ジャケット内には、トゥイ・ティエンのブロマイドが3枚入っていて、...
View Articleサンバ・ジャム・グルーヴ ガブリエル・モウラ
うわぉ! ガブリエル・モウラの新作。 ブルーのバックに、ど派手なファッションでポーズをキめたジャケットに、即買い。 中央にどーんとでっかく名前をレタリングしたデザインも、キマってます。 サンバ・ソウルのジャケットは、こうでなくっちゃ、ね。 ここんところ、サンバ・ソウルの良作に出会えないなあと、ボヤいていたところ、 サンダリア・ジ・プラッタの6曲入りミニ・アルバムが良かったので、...
View Articleテル・アヴィヴ新時代 バターリング・トリオ
『ミュージック・マガジン』12月号のイスラエル音楽特集記事に触発されて、 紹介されていたディスクを、ネットでいろいろ試聴していたところ、 ロウ・テープスという新興インディの作品が、やたらと面白い。 ただ残念なのは、カタログは70作品以上あるのに、 フィジカルになっているものが少ないこと。 とりあえずCDで出ている作品を、いくつかオーダーしてみました。...
View Articleロウ・テープス・オール・スターズ エコー
バターリング・トリオよりマイっちゃったのが、こっち。 エコーという女性歌手/ラッパーのソロ・アルバムなんですが、 こちらは、ロウ・テープスのオール・スターがずらり勢揃い。 多士済々の面々がプロデュースするサウンドのハイブリッドぶりが、スゴい。 まず、ヤられたのが2曲目の“Come Sit With Us”。 レコードのチリ・ノイズの奥から聞こえてくるのは、なんとフェイルーズの歌声。...
View Articleインドネシアのパワー・ロック トーパティ・ブルティガ
凍てつく冬の朝はロックだ! なんて、ガラにもないことを言ってますが、 ここ半年ほど、朝のウォーキングの友が、ずっとジャズのアルバムだったもんで、 ロックにスイッチすると、すごく新鮮に響くんですよねえ。 ロックといっても、インストのアルバムなんでありますが。 そのアルバムは、脚光を集めるインドネシアのギタリスト、 トーパティ率いるトーパティ・ブルティガの新作。...
View Article人生の宿命を受け入れた歌声 サラ・タヴァレス
“XINTI” から8年。 新作リリースのニュースに、首を長くして待っておりました。 サラ・タヴァレスは、かつてぼくが溺愛した女性シンガー・ソングライター。 リスボン育ちのカーボ・ヴェルデ移民二世ならではの洗練された音楽性を備えた、 オーガニックなクレオール・ミュージックを聞かせる人です。 “BALANCÊ” と“XINTI” を、いったい何百回聴いたことか。...
View Articleリルティングの魅力 ジュリー・ファウリス
3年ぶりに届いたジュリー・ファウリスの新作。 スコットランドの女性ガーリック・シンガーで、ぼくのいっちばん好きな人。 i の母音を発声する時のチャーミングさは、この人を凌ぐ女性歌手はいません。 ジュリーの声を聴いているだけで、幸せになれるんですよ。 ほんとにこればっかりは、相性ですよねえ。 前作“GACH SGEUL - EVERY STORY” が出たさいに、...
View Articleイングランド南部ウィルトシャーから ロージー・フッド
ジャケットには、ずいぶん昔に撮られたご婦人ふうの写真が載っていますけれど、 じっさいのロージー・フッドは、まだ若い英国の女性歌手。 これがデビュー作になります。 イングランド南部ウィルトシャー出身の人で、 地元ウィルトシャーに残された伝承歌を掘り起こし、 自作の曲をつけて歌っている人だそう。 第一次世界大戦前に、ウィルトシャー出身の詩人で 歴史家のアルフレッド・ウィリアムズが、多くの民謡を採集して...
View Article現代レンベーティカの最高峰 カテリーナ・ツィリドゥ
うわぁぁ、ハードボイルドだぞぉ。こりゃ、たまらん。 レンベーティカにこだわって歌い続けるヴェテラン女性歌手、 カテリーナ・ツィリドゥの新作、これは話題を呼びそうですね。 今回はスミルナ派を代表する作曲家、 パナギオーティス・トゥンダス(1886-1942)の作品集ですよ。 マルコス・ヴァンヴァカリスやヴァシリス・ツィツァーニスなど、...
View Articleミャンマー伝統歌謡の新星少女歌手 トーンナンディ
メーテッタースウェ、キンポーパンチに続いて、 ミャンマー伝統歌謡の新人少女歌手が、またまた登場しましたよ。 その名は、トーンナンディ。 珍しい名前だなと思ったら、「トーン」は「クイーン」を意味する名前だとか。 「クイーン・アイダ」みたいな、芸能人ならではのネーミングのよう。 まだ子供なのに、ずいぶんと背伸びした芸名を付けたもんです。...
View Articleポップスも健康志向で メーテッタースウェ
トーンナンディのデビュー作と一緒にミャンマーから届いたのが、 11月に出たばかりのメーテッタースウェの新作『森の愛らしい花』。 うわーい、これはぼくにとって、最高のクリスマス・プレゼントです~♡ 前作“APYOZIN” は、スライド・ギターやバンジョーをフィーチャーした、 ユニークなサウンドのポップ作でしたけれど、...
View Article伝説のトロバドール シンド・ガライ
シンド・ガライのリイシュー! こりゃ、事件だ。 19世紀末から20世紀にかけて、600曲ものカンシオーンを残した、 キューバ伝説のトロバドールです。 のちのソンやボレーロへ与えた影響も計り知れず、 101歳まで生き、キューバの民衆からこよなく愛された音楽家でした。 いまなお多くの歌手がシンド・ガライの曲を歌い継いでいるというのに、 ご本人の録音がまったく復刻されておらず、...
View Article四半世紀ぶりのレゲエ ジェシー・ロイヤル
珍しくレゲエの新作を気に入って、買ってきたんですが、 レコード・リストのデータベースに入力していて、自分でオドロいちゃいました。 なんと、レゲエの新作を買ったのは、23年ぶり。 え、えぇ~、そんなに疎遠になってたんだっけか。 データベースは、国別・年代別になっているんですけれど、 ジャマイカの2010年代は今回がお初。 2000年代は、アーネスティン・ラングリンがトニー・アレンと共演した...
View Articleマイ・ベスト・アルバム 2017
Vijay Iyer Sextet "FAR FROM OVER" EMI ECM2581 Tony Allen "THE SOURCE" Blue Note 5768329 Meddy Gerville "TROPICAL RAIN" Dot Time DT9060 Orchestra Baobab "TRIBUTE TO NDIOUGA DIENG"...
View Articleジョホールを夢想する寝正月 スリ・ムアル・ガザル
あけましておめでとうございます。 今年のお正月は、ゆるゆる過ごしたい気分なもんで、 マレイシアのガザルなんて地味なアルバムを、引っ張り出してきました。 ハルモニウムの響きが、おめでたい華やぎ感もあって、いいんじゃないかと。 マレイシアのガザルでは、 前に名門楽団のスリ・マハラニ・ガザルを取り上げたことがありましたが、...
View Articleカジュアルなマルチニークの伝統舞曲 ギュスターヴ・フランシスク
いいなあ。 マルチニークの村の公民館で演奏しているのを、 そのまんまレコーディングしたような飾り気のなさ。 こんな普段着な地元仕様の音楽は、案外CDでは聞けないので、 これはなかなかに貴重なアルバムだと思います。 キュイーヴル・エ・ボワ・デベンヌ音楽学校で教授を務める ギュスターヴ・フランシスクは、マルチニークの伝統音楽を演奏する マルチ管楽器奏者。表紙写真ではテナー・サックスを持っていますが、...
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