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現代レンベーティカの最高峰 カテリーナ・ツィリドゥ

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Katerina Tsiridou  AMAN KATERINA  A TRIBUTE TO PANAYIOTIS TOUNDAS.jpg   Katerina Tsiridou  OPOU KI AN EISAI GURISE.jpg

うわぁぁ、ハードボイルドだぞぉ。こりゃ、たまらん。

レンベーティカにこだわって歌い続けるヴェテラン女性歌手、
カテリーナ・ツィリドゥの新作、これは話題を呼びそうですね。
今回はスミルナ派を代表する作曲家、
パナギオーティス・トゥンダス(1886-1942)の作品集ですよ。

マルコス・ヴァンヴァカリスやヴァシリス・ツィツァーニスなど、
20世紀初頭のスミルナ派のレンベーティカを歌ったカテリーナの前作
“OPOU KI AN EISAI GURISE” も素晴らしかったんですけれど、
今作はパナギオーティス・トゥンダスの作品とあって、
さらにディープさを増して、現代レンベーティカの最高峰じゃないですか、これ。

生粋のスミルナっ子のパナギオーティスは、幼い頃からマンドリンを弾き歌い、
のちにエジプトで古典音楽も学んだ、スミルナ派きっての教養高い音楽家。
トルコとの住民交換後にピレウスへ移り、
24年にオデオン社ギリシャ支社のディレクターとなって、
数多くのレンベーティカを録音しました。
31年になるとコロンビアとHMVの音楽監督に迎え入れられ、
40年までに350曲以上の歌を残したといいます。
ローザ・エスケナージを見出したのも、パナギオーティスだったんですよ。

ブズーキ、バグラマー、カーヌーン、ヴァイオリン、チェロの弦楽器に、
アコーディオンとパーカッションを加えた、伝統的なレンベーティカのサウンドにのせ、
甘さを排したカテリーナの芯のある歌声がキリリとしていて、胸をすきます。
期待の若手女性歌手アレッティ・ケティメもサントゥールで参加していて、
1曲歌を歌っているのも、聴きどころ。
カテリーナの歌の合間にアレッティの声を聞くと、
なんとも可愛らしいというか、チャーミングですねえ。

かつてローザ・エスケナージが歌った、
パナギオーティスの代表曲“Chariklaki” はじめ、
無頼な味わいを色濃く残す、これぞ地中海のブルースといった、
パナギオーティス・トゥンダスのレンベーティカを堪能できる傑作です。

Katerina Tsiridou "AMAN KATERINA : A TRIBUTE TO PANAYIOTIS TOUNDAS" Protasis Music PR1173-2 (2016)
Katerina Tsiridou "OPOU KI AN EISAI GURISE" Protasis Music PR1157-2 (2012)

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