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イングランド南部ウィルトシャーから ロージー・フッド

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Rosie Hood  THE BEAUTIFUL & THE ACTUAL.jpg

ジャケットには、ずいぶん昔に撮られたご婦人ふうの写真が載っていますけれど、
じっさいのロージー・フッドは、まだ若い英国の女性歌手。
これがデビュー作になります。

イングランド南部ウィルトシャー出身の人で、
地元ウィルトシャーに残された伝承歌を掘り起こし、
自作の曲をつけて歌っている人だそう。
第一次世界大戦前に、ウィルトシャー出身の詩人で
歴史家のアルフレッド・ウィリアムズが、多くの民謡を採集して
それらをまとめた本を23年に出版していて、
その本から多くの曲がレパートリーに選ばれています。
このデビュー作のタイトルも、その本の冒頭の一文から、採られたものなんですね。

きりりとした発声が、いかにもイングランドらしくて、すがすがしいじゃないですか。
その真摯な歌いぶりに、デビュー作らしいほどよい緊張感が溢れていて、
聴いているこちらの背も伸びます。

ロージー自身が弾くテナー・ギターとフィドルのほか、
メロディオンだけを伴奏に歌った曲や、ベースのみで歌った曲など、
曲に合わせて、もっとも効果のある楽器を選び抜いて歌っているところが良く、
これ以上引き算できない、シンプルな伴奏が、歌を鮮やかに引き立てています。

冒頭1曲目の通奏低音のように響くサウンドは、
てっきりシンセが作っているものと思ったら、
ラップ・スティールとベースとフィドルで出していると知り、すっかり感心。
こういうアイディアを目の当たりにすると、安易にシンセを使って、
ケルト・サウンド一丁上がり式なプロダクションが恥ずかしくなりますね。

ほかに、エミリー・ポートマンと2曲デュエットしているのも聴きものなんですが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2010-04-12
無伴奏で歌った“The Cruel Mother” での二人のハーモニーは、
アルバムのハイライトとなっています。

Rosie Hood "THE BEAUTIFUL & THE ACTUAL" Rootbeat RBRCD36 (2016)

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