メーテッタースウェ、キンポーパンチに続いて、
ミャンマー伝統歌謡の新人少女歌手が、またまた登場しましたよ。
その名は、トーンナンディ。
珍しい名前だなと思ったら、「トーン」は「クイーン」を意味する名前だとか。
「クイーン・アイダ」みたいな、芸能人ならではのネーミングのよう。
まだ子供なのに、ずいぶんと背伸びした芸名を付けたもんです。
ヤンゴンのCD屋のオヤジは、「ハタチ」だとか言って売っているそうですが、
んなわけないでしょう。どう見たって、メーテッタースウェより年下、
12歳くらいじゃないですか。じっさいのところ、いくつなんだろう?
そうだ、フェイスブックで友達の(←自慢)キンポーパンチに訊いてみよう。
というわけで、メッセージでCDの画像を送ったら、
なんとキンポーパンチは、“Who is she?”だって。
へ? 知らないの? まさか!
てっきり、「トーンナンディとは、一緒によくステージに立っているのよ」なんて答えが
返ってくるとばかり思っていたので、意外や意外。同業者なのに、ホントに知らんのか?
ネットで検索しても、本人のフェイスブック以外に情報が見当たらないんですが、
なんと彼女のフェイスブックは、13万人がフォローしています(驚)。
あれ? キンポーパンチも「いいね」してるじゃん。
おいおい、と思っていたら、
キンポーパンチと並んでステージに立っているライヴ動画まで見つけちゃいました。
何がWho is she? だよ、ライヴァル心を燃やして、向こうを張ってるってか。
結局年齢はわからずじまいなんですが、
フェイスブックには学校の成績表の画像も載っているので、
ミャンマー語が読めれば、年次とかで年齢がわかりそうなんですけれども。
でも、なんでミャンマーのコって、メッテータースウェもそうだけれど、
成績表をフェイスブックに載せるんだろうね。
以前、キンポーパンチとメーテッタースウェともっと幼い少女の3人で
ステージに立っている写真が、フェイスブックによくアップされていましたが、
トーンナンディは、そのコとは別人のようです。
う~ん、ミャンマー伝統歌謡の少女歌手は、層が厚いな。
ステージ用にばっちりメイクした写真は、年齢不詳ですが、
普段着姿を見る限り、まだ小学生のように見えます。
Youtubeに上がっている映像を見ると、年配の先生に指導を受けている様子や、
ステージ・ママらしきご婦人と一緒のところ、
はたまた、もっと幼い5・6歳くらいの頃のコンテストらしきテレビ映像などがあって、
幼少の頃から伝統歌謡をしっかり修養してきたことがわかります。
そして今年の9月28日、満を持してリリースした本デビュー作。
タイトルは、「心の中の願い」の意。
CDリリースにあわせて、ヤンゴンのオーキッド・ホテルでセレモニーが行われ、
その時の動画も、フェイスブックに上がっています。
オープニングのみ、シンセ伴奏のポップ曲で、
あとはサイン・ワイン楽団にヴァイオリンとキーボードが加わった、
古典歌謡のタチンジーで、4曲目とラスト10曲目のみ、
歌謡調メロディが入り混じるミャンマータンズィンとなっています。
トーンナンディの華のある声が、いいですねえ。
この声、ソーサーダトンやメーテッタースウェに通じる才能ですよ。
よくコントロールされた発声と、鍛えられたこぶし回しがまた見事。
このコは大器、間違いありません。
CDはソフト・ケースでなくジュエル・ケースで、
ジャケットやバック・インレイの印刷も美麗。
個人的なお気に入りは、表紙写真の額縁の左右に吊されている
ヨウッテー・ポエー(ミャンマーの糸操り人形劇)の人形。
そういえば、キンポーパンチのバック・インレイにもあったっけな。
伝統工芸の人形好きには、嬉しい演出であります。
Thone Nandi "YIN TWIN SU" May no number (2017)