ライ健在を伝える好盤が、今年は続きますねえ。
アルジェ郊外エル・ビアール出身、80年生まれのレダ・タリアニ。
若手というより、そろそろ中堅どころといったポジションでしょうか。
ぼくが聴くのは08年作の“EL DJAZAIR” 以来なんですけれど、
声に逞しさが増して、ハレド・スタイルのやさぐれたコブシ回しが板につきましたねえ。
フランスのラップ・グループ、113との共演曲が大当たりしたり、
人気コンピ“RAI N B FEVER 2” ではチュニジア系フランス人ラッパーと共演するなど、
現地での人気ぶりも上々だったようです。
幼いころからアラブ・アンダルース音楽を習っていたという、
しっかりとした基礎のある人なので、シャアビの説得力も十分、聴きごたえがあります。
久しぶりに聴く新作は、地中海のリオン湾をのぞむ
マルセイユの丘の上で、ポーズをきめるというジャケット。
ライのアルバムで、地中海の海と空の青が映える
オープンエアのシチュエーションというのは、珍しい気がしますね。
そんなジャケットが暗示するように、中身もレダの確かな歌唱力を生かした、
すがすがしい一枚に仕上がっています。
しっかりとしたプロダクションで、アコーディオンやトランペットを効果的に配しつつ、
シャアビではストリングス・オーケストラをフィーチャーするなど、
予算をかけたレコーディングとなっていて、チープさとは無縁。
非メジャーでもこういう作品が作れるようになったんですねえ。
Reda Taliani "BLADI" Dounia Production no number (2015)