悶絶。
やっぱ、ウディ・ショウのラッパ、かっこえ~。
ジャズ・トランペットの理想形ですね。
ビル・エヴァンスやウェス・モンゴメリーなど、
ジャズ・レジェンズの未発表音源の発掘が続く今日この頃。
いくらジャズが面白くなってきたといっても、
いまさら、この時代のジャズを聞き返す気にはならないので、
ずっとやりすごしていたんですけれど、さすがにリアルタイムで聴いていた
ウディ・ショウとなると、無視はできません。
発掘されたのは、82年、ハンブルクでのライヴ。
コロンビア時代の最終作“UNITED” (81)のメンバー、スティーヴ・トゥーリ、
マルグリュー・ミラー、スタッフォード・ジェイムズ、トニー・リーダスが勢ぞろい。
大学2年生の時に聞いたヴィレッジ・ヴァンガードのライヴ
“STEPPING STONES” (78)で、ショウのファンになったぼくですけれど、
これまでに聴いたショウのライヴでは、これ、間違いなく最高作ですね。
あぁ、80年に来日したのになあ。観ときゃよかったなあ。痛恨の見逃しであります。
ショウのラッパのブリリアントなことといったら。
フュージョンの一大ブームでジャズ冬の時代に、
アクースティックの新主流派ジャズを貫いた、ハードボイルドなお人でありましたね。
太くふくよかな音色で、大きく跳躍するフレージングを鋭くブロウするスタイルは、
当時のフレディ・ハバードにもない、ショウ独自の個性でした。
そんなショウの輝かしいラッパが、
全編で繰り広げられているんだから、もう、たまんない。
収録された4曲は、もっとも短くて13分強、ほか3曲は20分弱に及ぶ長尺の演奏。
メンバー全員がドライヴしまくり、熱気溢れるインタープレイを繰り広げます。
とりわけ、スティーヴ・トゥーリ(「トゥーレ」でも「ターレ」でもない)
のトロンボーンがすさまじい。“Sunbath” での超低音ソロなんて、
どう聴いてもチューバにしか思えないんだけど、
こんな分厚い低音を、ほんとにトロンボーンで出しているのか。信じられん。
“VOL.1” とあるのが気になるところで、
まだ他に録音が残っているなら、洗いざらい全部出してもらいたいなあ。
最後に気になったのは、インレイの背表紙が“Quartet” と誤記されている点。
“VOL.2” を出すときは、間違えないでね。
The New Woody Shaw Quintet "AT ONKEL PÖ’S CARNEGIE HALL VOL.1" Delta Music & Entertainment N77045