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真冬のピッツィカ カンツォニエレ・グレカーニコ・サレンティーノ

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Canzoniere Grecanico Salentino  CANZONIERE.jpg   Canzoniere Grecanico Salentino BALLATI TUTTI QUANTI BALLATI FORTE.jpg   
Canzoniere Grecanico Salentino  FOCU D’AMORE.jpg   Canzoniere Grecanico Salentino  PIZZICA ONDIAVOLATA.jpg


朝、玄関を開け、一歩外に踏み出した途端に包まれる冷気が、
スキー場か!という今日この頃ですけれど、
そんなシバれる頃になると、身体が欲する、南イタリアの音楽。

ナポリのタランテッラを聴くのが、ぼくは決まってこの季節なんですけど、
今年はサレントのピッツィカが届きました。
アドリア海とイオニア海に突き出ているサレント半島、
長靴のかかとの部分とよく形容される、そのサレント半島の中心都市
レッチェを拠点に活動する古参のグループ、
カンツォニエレ・グレカーニコ・サレンティーノの新作です。

彼らの熱心なフォロワーというわけではなく、飛び飛びに聴いてきただけなので、
一聴して、別のグループかと思うほど、垢抜けていたのには、ちょっとびっくり。
ずいぶんとコンテンポラリーなサウンドになったんですねえ。

前回の結成40周年記念作は、聴かないまま過ぎちゃいましたけれど、
たしかイアン・ブレナンがプロデュースしたんでしたよね。
今回は、ジョー・マーディン(アレフ・マーディンの息子)がプロデュースしていて、
曲もジョー・マーディン、マイケル・レオンハート、スコット・ジャコビー、
スティーヴ・スキナーと共作し、演奏にもそれぞれゲストで加わっています。
ピッツィカの土俗的な武骨さが影を潜め、楽曲もずいぶんとポップになったのは、
ちょっと肩すかしだったかな。よくプロデュースされたアルバムではあるんですけれど。

というわけで、旧作を取り出してみたんですが、手元にある一番古い作品は98年作。
80年代のアルバムも持っていたはずなんだけど、そうか、処分しちゃったか。
彼らの初期作は、ピッツィカの再興をめざす伝統保存の姿勢がまだ前面に出ていて、
アマチュアぽい生硬さが丸出しでしたからねえ。それがツラくって、手放したんだな。
その当時から比べると、格段に度量が広がって、プロっぽくなりましたよね。

伝統的なピッツィカばかりでなく、南イタリアの多彩なフォークロアも織り交ぜて、
カラフルに聞かせた10年作の“FOCU D’AMORE” は良かったなあ。
ダンサブルなピッツィカの野趣な味わいを残したまま、現代性を獲得した
12年作の“PIZZICA ONDIAVOLATA” も印象深かったですねえ。
ゲストのバラケ・シソコのコラが、驚くほど彼らのサウンドに馴染んでいました。

新作をきっかけに、また旧作をいろいろ聴く、
真冬のカンツォニエレ・グレカーニコ・サレンティーノです。

Canzoniere Grecanico Salentino "CANZONIERE" Ponderosa Music CD142 (2017)
Canzoniere Grecanico Salentino "BALLATI TUTTI QUANTI BALLATI FORTE" Dunya/Felmay 2175080112 (1998)
Canzoniere Grecanico Salentino "FOCU D’AMORE" Ponderosa Music & Art CD076 (2010)
Canzoniere Grecanico Salentino "PIZZICA ONDIAVOLATA" Ponderosa Music & Art CD102 (2012)

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