カッコいい! カッコよすぎる!! 憎たらしいくらいカッコええ~!!!
バカ丸出しであります。「カッコいい」以外、なんも出てこない。
ブラジルの新人ジャズ・ピアニストのデビュー自主制作盤、
テナー・サックス、トランペット、ギターにピアノ・トリオという編成です。
無理して言葉をひねり出せば、変拍子使いの作曲能力が、もうただごとじゃない。
次々と場面が変わっていく構成が、めちゃくちゃスリリングで、見事というほかない。
ここぞというところに、憎たらしいくらいキャッチーなキメが出てくるんだから、
もうマイっちゃいますよ。
そして、主役のピアノ・タッチの明快なこと、
高速ラインを粒立ち良く弾き切る、技術の高さ。
時にアブストラクトなラインを織り交ぜながら、
美しいソロを組み立てていくところも、いやはや、ケチのつけようがございません。
リズムを細かく割っていくドラムスなど、現代的ないまどきのジャズでありつつも、
インプロになると、従来の体育会系ジャズ的な
手に汗握るスリルも十分味わえるし、ポスト・ロック的な快感もある。
さらには、スタイリッシュで洗練されたオシャレ感もあるという、
全方位の、どういう好みのファンにもアピールするジャズであります。
ディアンジェロ・シルヴァは、ブラッド・メルドーのファンを自任しており、
シャイ・マエストロとも交流があるとのこと。
そうでしょう、そうでしょう。よ~く、わかります。
それにしても、これが自主制作だっていうんだから、タメ息が出ますね。
もったいないというか、なんというか。
ギターのフェリーペ・ヴィラス・ボアス、
ドラムスのアンドレ・リモーン・ケイロスのプレイも特筆もの。
この二人の名前は、よく覚えておきましょう。
Deangelo Silva "DOWNRIVER" no label no number (2017)