新作が出るたびに、うまいなあ、とウナってしまう、フクルアディス・ナカティバブ。
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-10-05
今回もまた充実していて、彼女の最高作なんじゃないかと思うんですけれど、
先に買ったエチオピア盤の1・2・11曲目が、
曲の最後で突然ブツッと終わる、ヒドい編集ミスの不良品。
なんじゃ、こりゃと、怒り心頭になってしまったんですが、
しばらく待ってリリースされたアメリカ盤は、ちゃんとフェイド・アウトされていました。
写真左がエチオピア盤、右がアメリカ盤です。
その後エチオピア盤もマスターを作り直したらしく(これも「リマスター」?)、
今回エル・スールに入荷したCDは再プレスされた正常盤なので、ご安心を。
ゴンダール出身のフクルアディスは、
年若くしてゴンダールの軍隊で働いていた時に歌手活動を始めたそうで、
将来は医者にと望んでいた両親の思いとは裏腹に
すぐに才能を発揮し、スター街道をひた走った歌手です。
同郷の先輩であるアスター・アウェケをリスペクトしているというフクルアディス、
なるほどアスターばりのシャープな歌声も聞かせますけれど、
振り幅の大きい表現力こそが、彼女の最大の武器。
今回もつぶやくように歌うところから一転、狂おしくハイ・トーンで歌い上げるなど、
縦横無尽にその高い歌唱力を披露しています。
今回も複数のアレンジャーを起用して、
マシンコをフィーチャーしたアムハラの伝統色の強いナンバーあり、
エレクトロなダンス・トラックでメリスマを炸裂させるエチオ・ポップありと、
アムハラ語、ティグレイ語、クナマ語などを使い分け、
バラエティ豊かなエチオピア歌謡で楽しませてくれます。
Fikeraddis Nekatibeb "MISEKIR" Flute no number (2015)
Fikreraddis Nekatibeb "MISIKIR" Nahom no number (2015)