いやあ、今年は大豊作だなあ。
大当たりの新作CDが続出して、次々と愛聴盤は入れ替わるし、
長年探し続けてきたレコードも網にかかるしで、嬉しい悲鳴の連続。
おかげでこのブログも話題に事欠かず、
ストックの記事がいつも5本ぐらい用意されてるんですれど、
最近ではそれが10本ぐらい溜まるようになってしまいました。
いっそ日刊にしちゃいたいくらいですよ。
急ぎでない記事は、つい後回しにしがちになるので、
書いてから半年もたって、ようやくアップされる不幸(?)な記事もあったりして。
それどころか、うっかりすると書かずじまいになってしまうヘビロテ盤もあって、
今回のドーニクもそうなりかねないところを、ようやく気付いた次第。
というわけで、ここ2か月以上、毎朝家の玄関を出た瞬間、
胸ポケットのiPod のボタンを押してスタートする、ドーニクのデビュー作。
ロンドンから登場したシンガー/プロデューサーです。
いいよねえ、この上質のアーバン・メロウぶり。
軽くウィスパリングするヴォーカルに、浮遊感漂うサウンドが折り重なって生み出される、
シルキーでスムースなサウンド・スケープ。
生楽器とエレクトロな音響のバランスが絶妙で、
華美になりすぎない、インディ的なプロダクションが好ましいですね。
アンビエントR&Bよりはポップでカジュアルな手触りがあり、
軽やかなライト・ファンクなサウンド・テイストは、
なるほどマイケル・ジャクソンを思わせるところもあり。
ロンドンの蜃気楼にゆらめく、淡くゆるやかなメロウネスにトロけます。
こういう押しつけがましくない上品さは、
シャーデー以来の流れを汲む、UKソウルの美点に思えます。
Dornik "DORNIK" PMR 474397-1 (2015)