ギリシャのアコーディオン女子、ミレラ・パフウの2作目が出ました。
ピンクのスカートの裾を持ち上げて微笑んでいたデビュー作のジャケットから一転、
今回は白黒写真で、アコーディオンの鍵盤3か所に、
わずかに色付けしただけのシックなジャケットとなっています。
『小さな色』というタイトルを示しているんですね。
面白い個性の持ち主なんですよ、この人。
オールディーズのセンスで、
スウィンギーにしてロッキンなグリーク・ポップを聞かせてくれます。
ライカも歌ってはいますけれど、ミレラはライカ歌手ではありませんね。
ポップ・ライカも歌う、庶民派ポップ・シンガーというところでしょう。
こういうポジションのギリシャのシンガーというと、
マラヴェヤス・イリーガルことコースティス・マラヴェヤスがいますよね。
ギリシャ語のほか、英語、スペイン語、イタリア語を駆使して、
アメリカン・オールディーズからカンツォーネにタンゴ、スカまで歌っちゃう、
おとぼけシンガー・ソングライター。
チョイ悪なイケメン兄ちゃんといった外見とはウラハラに、
どこかトボけたB級ムードの歌を歌う人で、得難い才能の持ち主なんですが、
ミレラ・パフウもマラヴェヤス人脈の一人なんだとか。
どうりで音楽性もよく似ているわけです。
アコーディオンを抱えて、ノスタルジックな歌を歌う女子といえば、
S-KENがプロデュースしていたデビュー当初の中山うりがなんといっても秀逸で、
いまだに『ドレミファ』をよく聴き返すんですけれど、
カラッとした地中海の明るさを感じさせるミレラ・パフウには、
ほがらかな味わいがあって、これまた愛すべき1枚となりそうです。
Mirela Pachou "LIGO CHORAMA" Ogdoo Music Group no number (2018)
中山うり 「ドレミファ」 ソニー SICL165 (2007)