ひさしぶりに聴いたチャルガのトップ・スター・シンガー、グロリア姐さん。
あいかわらず絶好調ですねえ。この13年作が新作と思って買ったら、
後になって、この次のアルバムが今年出ていることを知りました。
グロリアの本名はガリーナ・パネヴァ・イヴァノヴァ。
ドナウ河の真珠と言われるブルガリア北部国境の港町ルセの出身で、
ルセの対岸にはルーマニアの都市ジュルジュがあります。
エメラルド・グリーンの瞳に、金髪もまばゆいブルガリアきっての美人シンガー、
それで歌唱力も抜群の実力派なんだから、鬼に金棒みたいな人であります。
それにしても、いつ聴いてもこの人の歌はスケールが大きくて、感心させられます。
ハスキーで野性的な歌いぶりも魅力なら、
どんなにパワフルに歌っても、熱唱型にならないところがグロリアの良さ。
キレがあるから、歌が暑苦しくならないんでうしょねえ。
男前な歌いっぷりで、胸をすくスカッとした気分を、毎回味あわせてくれます。
ロマ音楽ならではの即興フレーズを奏でるヴァイオリン、クラリネット、アコーディオンと
くんずほぐれつを繰り返すアレンジにも、ドキドキ、ハラハラさせられっぱなしです。
変拍子あり、つっかかるような独特のバルカン・ビートありの、
チャルガの快作です。
Gloria "PYTEKI" Payner Music PNR2013091525-995 (2013)