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ソンガイ・ポップの最高作 ハマ・サンカレ

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Hama Sankare.jpg

味わい深いソンガイ・ブルースを歌うおじさんが登場しましたよ。
年季の入った顔立ちに、ヴェテランであることは容易に想像がつきますけれど、
本作がデビュー作とのこと。

ハマは愛称らしく、本名はアルファ・ウスマン・サンカレとのことで、
ん?と思って、チェックしてみたら、アフェル・ボクームのバンド、
アルキバルでカラバシを叩いていたおじさんじゃないですか。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2009-06-20
アルキバルでアフェルのサポート役を務めるギタリスト、ママドゥ・ケリーのバンドでも、
サンカレはカラバシを叩いていますよ。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2013-10-03

あれ? ということは、と思って調べてみたら、やっぱり。
外務省主催のアフリカン・フェスタで09年に来日した
アフェル・ボクームに同行したメンバーの一人で、カラバシを叩いていた人です。
あの時アフェル・ボクームと一緒にやってきた
サポート・ギターのママドゥ・ケリーとハマ・サンカレの二人とも、
クレアモント・ミュージックからリーダー作を出したというわけですね。

Hama Afel Mamady.jpg

で、このカラバシおじさんハマ・サンカレのデビュー作。
同じクレアモント・ミュージックからリーダー作を出している、
若きソンガイ・ギタリストのオマール・コナテに、ベース、ドラムス、
ンジャルカ(1弦フィドル)、ジュルケル(1弦ギター)という布陣で聞かせます。

おやっと驚くのが、ボニー・レイットに劣らぬスゴ腕で知られる、
アメリカ人女性スライド・ギタリスト、シンディ・キャッシュダラーのゲスト参加。
ワイゼンボーンとラップ・スティールを弾いているんですけれど、
ソンガイ・サウンドとよく馴染んでいて、絶妙なアクセントを付けています。
彼女の起用は大成功ですね。

冒頭の‘Middo Wara’と8曲目‘Maliwo Kayergaba’ は、
打ち込みを施したソンガイ・テクノ。
レイラ・ゴビのアルバムでも手腕を発揮していたデヴィッド・ハーローの仕事で、
生音アンサンブルとのミックス・バランスの絶妙なことといったら!
素朴ともいえるソンガイ・サウンドに、よくこれほど打ち込みを溶け込ませたものですねえ。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-11-25

ハマ・サンカレの叩くカラバシがスウィングする、
ソンガイのダンス・ミュージック、タカンバの‘Mali Gando’ に、
プール(フルフルデ)語で歌うタイトル曲のほか、ボゾ語で歌う曲もあります。
ジャーナリスティックな話題を呼ぶことのないソンガイ・ポップですけれど、
ここ最近活発になっているリリースの中でも、これは最高作でしょう。

Hama Sankare "BALLÉBÉ" Clermont Music CLE018 (2017)

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