ジャズ・ギタリストの偉才、メアリー・ハルヴァーソンの
最新インタヴュー記事を読んでいたら、いきなり冒頭に
「師であるアンソニー・ブラクストンのバンドへの参加」と書かれていて、びっくり。
アンソニー・ブラクストンと共演歴があることは知ってたけど、教え子だったんですか。
初めてメアリーのプレイを聴いた時、
エリック・ドルフィーの生まれ変わりかと思ったもんですけど、
なるほどアンソニー・ブラクストンの音楽性とも親和性が高く、
ブラクストンから直接学んでいたとは、激しくナットクできる話であります。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-08-13
さらにその記事を読んでいて、メアリーがアンソニー・ブラクストンのおすすめとして、
デレク・ベイリーとのデュオ作品“MOMENT PRÉCIEUX” を最初に挙げていたのには、
思わずヒザを打ちましたよ。
ブラクストンの膨大な作品で、ぼくが聴いたことがあるのはごくわずかにすぎませんけれど、
その中でも本作は、とりわけ愛着のあるマイ・フェバリット・アルバム。
デレク・ベイリーのアルバムとしても、忘れがたい作品なんですけれど、
このアルバムについて言及しているテキストなんて、
これまでお目にかかったことがなかったので、いやあ、嬉しかったなあ。
ほかにメアリーは、名盤“SOLO ALTO” を挙げていましたけれど、
こちらはブラクストンの代表作として超有名なアルバムなので意外性はないものの、
“QUARTET (SANTA CRUZ) 1993” を選んでいたのには、ご同慶の至りでありました。
う~ん、メアリーとはシュミ合うなあ。
話を戻して、“MOMENT PRÉCIEUX” は、
メアリーが最初に聴いたブラクストンのレコードだったそうです。
カナダで86年に開かれた音楽祭でのライヴなので、
ひょっとしてメアリーは生で聴いたのかなと思いましたけど、
86年といえばまだ彼女は8歳だから、まさかね。
「彼がいかに偉大なインプロヴァイザーであるか堪能できる素晴らしいレコード」と
コメントしているのは、まったくの同感。
知られざる名盤に光をあててくれて、嬉しいのなんのって。
ひさしぶりに棚から取り出して聴き始めたら、止まらなくなって、
ブラクストン祭りになっちゃいました。
Anthony Braxton - Derek Bailey "MOMENT PRÉCIEUX" Les Disques VICTO VICTOcd02 (1987)