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王道トランペットと現代的ビートの快楽 ルビーニョ・アントゥネス

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Rubinho Antunes.jpg

待ってましたっ! ルデーリの新作ならぬルビーニョ・アントゥネスの新作。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2017-09-24
思わずルデーリと口走ったのは、ピアノがフィリップ・バーデン・パウエルから、
ファビオ・レアンドロに交替しただけで、
主役のトランペットとリズム・セクションの二人は同じだからです。
しかもギターには、ルデーリの昨年の新作にゲスト参加していた
ヴィニシウス・ゴメスが加わってるんだから、こりゃ、裏ルデーリですね。

本作もルデーリ同様、ブラジル色皆無の現代的なジャズで、
細かくリズムを割っていくダニエル・ジ・パウラのドラムスのキモチよさが、
なんといっても一番の快感なんですよ。

ルビーニョ・アントゥネスのトランペットは、派手さのない堅実なプレイが特徴。
‘Indi’のように、シャープなトーンで攻めているトラックもあるものの、
基本ふくよかな太めの音色の落ち着いたトーンで、
歌ごころのあるプレイを持ち味としています。

おやっと思ったのは、スキャット・ヴォーカルで1曲ゲスト参加したカミーユ・ベルトー。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26
なるほど両者の音楽性には通じるものがあり、
グローバル時代はさまざまな才能が、たやすく国境を越えて繋がっていくのを実感します。
ルビーニョは11年から14年までフランスに暮らしていたのだそうで、
フランスのジャズ・シーンで注目を集める、レバノン出身のイブラヒム・マーロフとも
共振するものがありそうですね。

ルビーニョは、エルメート・パスコアールのビッグ・バンドやバンダ・マンチケイラ、
サンパウロのシンフォニック・ジャズ・オーケストラ、マリア・シュナイダーなど、
オーケストラとの共演歴も多く、そうしたキャリアが
正統的ともいえる王道のトランペット吹奏に表われているのを感じます。

Rubinho Antunes "EXPEDIÇÕES" Blaxtream BXT0017 (2018)

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