コンフント・ロベルト・ファスの新作!
いったい何年ぶりなんでしょうか。
カムバック作なのか、それとも地道に活動を続けていたのか、
よくわからないんですけれど、
おととし出ていたアルバムが、ようやく日本に入ってきました。
ロベルト・ファスといえば、コンフント・カシーノの専属歌手から独立し、
50~60年代に活躍したキューバの名歌手。
66年にファスが亡くなったあとも、コンフント・ロベルト・ファスは活動を続け、
ぼくも78年のアレイート盤“HOMENAJE A ROBERTO FAZ” を
すいぶん愛聴したおぼえがあります。
でもその後はフェイド・アウトというか、CD時代に入ってからは、
その名を聞くことがなくなっていたので、いきなりの新作には驚きましたねえ。
ジャケット写真には、オリジナル・メンバーらしき老齢の男性も写っていて、
完全に世代交代したわけではなく、往年のメンバーも残っているようですよ。
クレジットがいっさいないので、確かめられないんですけれども。
久しぶりに聴くコンフント・ロベルト・ファスの演奏ぶりは、実にハツラツとしています。
この楽団って、時代が下るほどに、軽やかになっていくのを感じますね。
78年のアレイート盤を聴いた時も、60年代にはなかったスピード感が
すごくフレッシュに感じましたけれど、今作ではさらに力が抜けて爽やかです。
オハコのグァラーチャはもちろん、パチャンガやクンビアも取り上げた
カラフルなレパートリーがゴッキゲン。
ロベルト・ファスお得意のボレーロ・メドレー、モザイコももちろんやっています。
ラスト・トラックのアフロ色濃いコンガ・メドレーでは、
ぼくの大好きな‘Sun Sun Babae’も飛び出して、もう大満足。
ロベルト・ファスが亡くなって半世紀、主人が不在となった後も、
跡取りたちが立派にアップデイトしていることを示した、記念すべきアルバムです。
Conjunto Roberto Faz "COSITAS QUE TIENE CUBA" Bis Music CD1035 (2016)