![Rubel CASAS.jpg](http://bunboni58.c.blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_17d/bunboni58/Rubel2020CASAS.jpg)
朴訥とした、シロウトぽい歌い口に惹かれました。
こういうアマチュアぽさを失わないところが、
ブラジル音楽がいつまでもフレッシュでいられる秘訣ですね。
優雅な弦オーケストラがたゆたうと、妙に均質的なビートを刻むギターのバチーダと
ドラム・マシーンが加わり、上質のサウンド・スケープが立ち上るサウンドは、
けだしブラジルのフォークトロニカでしょうか。
スペースを大きく取り、管や弦にコーラスをレイヤーしたアレンジが、
ものすごく斬新です。管と弦のアレンジは、アントニオ・ゲーラ。
まるでインスタレーションを観るようなこの音楽の質感は、
マシーンと人力が絶妙なバランスで、
有機的に絡み合って生み出されているのを感じます。
話題のマルセロ・カメーロをホウフツとさせるサウンドで、
じっさいルーベル本人も、マルセロ・カメーロのファンを自称しているんだそう。
マルセロのヴォーカルが好みじゃないぼくには、ルーベルの方が断然いい。
これが2作目だそうです。
サンバのバツーキ、メロウなローズのサウンド、ゆるいヒップホップ、
上品な室内楽、アーバンなネオ・ソウル、爽やかなソフト・ロック。
さまざまな音楽を吸収してきた軌跡が、
現代のストーリーテラーたらんとする詩的な才能を輝かせています。
歌詞を解さずとも、サウンドだけで十分それが伝わってきますよ。
人肌のぬくもり伝わるポップ・センスが、
知的すぎず親しみやすくて、好感が持てます。
Rubel "CASAS" no label no number (2018)