おお、このメジャー感、スゴイな。
ここまでポップにしたライっていうのも、いいもんだね。
ジャケットからして、ライの場末感なんてみじんもない爽やかさですよ。
トゥアレグ・バンドとも共演するし、アラブ歌謡路線でもいけるという、
カデール・ジャポネの18年の新作は、この人のヴァーサタイルな才能が、
本来のポップ・ライという土俵で存分に発揮された快作になりました。
ノリにノッているのが、その歌いぶりからもしっかりと伝わってきますよ。
アナログ・シンセの温かな響きがいいじゃないですか。
ひらひらと鳴るクラリネットもグッときますよ。
80年代のポップ・ライのサウンドが完全に復活していますね。
フラメンコを取り入れているのも、同じベクトルでしょう。
ライアンビー、レッガーダなどのダンサブル路線を経て、
ライも一周回り終えたというか、歌謡路線にしっかりと戻ってきたのを感じます。
それもソフィアン・サイーディのようなレトロ路線ではなく、
しっかりと現代に更新されたサウンドとなっているところに、
王道のポップ・ライの逞しさをおぼえます。
なんら新しいことをしているわけでもないのに、
いや、むしろいっさいの新機軸を打ち出さずに、
これだけフレッシュなサウンドを作れるところが、手柄じゃないですかね。
Kader Japonais "DREAM" Villa Prod no number (2018)