現代的なインストルメンタルと一緒に、
こういうオーセンティックなショーロの良さを味わえるアルバムが届くというのが嬉しい。
7弦ギター、バンドリン、パンデイロを演奏する、ジューリオ3兄弟のデビュー作です。
リオ出身の3人はパンデイロのマグノが兄で、
7弦ギターのマルロンとバンドリンのマイコンが双子の弟だそうです。
レパートリーはすべてマルロンとマイコンのオリジナル。
ショーロ第1世代の代表的な音楽家アナクレット・ジ・メデイロスや、
ジャコー・ド・バンドリンにオマージュを捧げた曲があるなど、
その作風も古典的といえます。
デビュー作とはいえ、すでに音楽学校で先生もやっている彼らのプレイは、
実力十分、余裕のある演奏ぶりで、伝統的なショーロを聞かせてくれます。
曲により、カヴァキーニョやピアノのゲストも加わり、
アコーディオンとザブンバのゲストを招いたバイオーンや、
トランペット、トロンボーン、サックスの3管入りのフレーヴォもあるなど、
多彩な内容で、カラフルなアルバムとなっています。
アルバムのオープニングとラストがマシーシというのも、
このグループの音楽性を象徴しているようで、
特にラストのホーン・セクション入りで、
古典的なマーチング・サウンドを聞かせるマシーシは、
最近めったに演奏されることのないスタイルだけに、
おおっと前のめりになっちゃいました。
この曲にゲスト参加したオス・マトゥトスは、
3年前に話題となったイリニウ・ジ・アルメイダの曲集を演奏していた
メンバーが主要となっているグループ。
https://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2016-06-23
オフィクレイドのエヴェルソン・モラエスもいますよ。
ショーロの古典にまでさかのぼったオリジナルを、
フレッシュに聞かせるステキな3人組です。
Trio Júlio "MINHA FELICIDADE" no label no number (2017)