なんて爽やかなんでしょうか。
ジャケット写真そのままに、
バイーアの潮風を感じるサンバを、たっぷりと満喫できるアルバムです。
07年に結成されたというバイーア3人組、バルラヴェントの3作目。
ナザレー出身のサンビスタ、ロッキ・フェレイラをゲストに迎えた1曲目から、
バイーアらしさイッパイのサンバを繰り広げます。
シャラーンと高音を響かせるスティール弦のアクースティック・ギターの響きが、
潮の香りを運び、カンカン、コンコンと愛らしく鳴るアゴゴに頬が緩みます。
目の覚めるようなみずみずしいメロディを、3人はソフトに歌います。
ハーモニーを織り交ぜたコーラスは、伝統サンバをベースとしながら、
オーセンティック一辺倒ではない、MPBからのポップ・センスが発揮され、
とてもフレッシュです。
‘A Banda Que Samba’ のイントロで飛び出すトロンボーンのソリは、
まるでトロンバンガみたい。、ヴァイオリンの使い方もシャレてますねえ。
こうした楽器の起用や扱い方に、
伝統サンバに軸足を置きながら、現代的なサウンドを生み出すセンスを感じます。
カンドンブレ由来のリズムを使ったアフロ・サンバをやっても、
ちっともディープな感触にならないのは、洗練された彼らの音楽性ゆえでしょう。
アコーディオンをフィーチャーしたシャメゴも、
のんびりとした田舎情緒を上手に演出しています。
こんなにほんわかした庶民的なサンバって、
今日びなかなか得難いんじゃないでしょうか。
Barlavento "QUEBRAMAR" MCK MCKPAC0231 (2018)