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エレクトロ・ボッサに仕上げた古典サンバ コレチーヴォ・サンバ・ノワール

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Coletivo Samba Noir.jpg

カチア・Bとマルコス・スザーノがメンバーと聞いて、
へぇ~と思い、買ってきたものの、ロクに聴かずに放置したまんまだったCD。
暮れにCD整理をしていて聴き直したら、
そんなに悪くなかったので、あわてて処分候補棚から救出しました。

カチア・Bは、パリに渡ってクラブ・ジャズ系のミュージシャンと活動していた人で、
橋本徹のプロデュースで、J・ポップをボサ・アレンジにしたアルバムも確か出してましたね。
要するにオシャレ系のシンガーね、なんてずっとナメてたんだけど、
いつだったかブラジルで出したソロ・アルバムをチラ聞きしたら、
歌声が意外に良くって、好感度がぐーんとアップ。

そんな思いもあったので、マルコス・スザーノに加えて、
アート・リンゼイのグループで来日した7弦ギタリストのルイス・フィリーピ・ジ・リマや、
多くのセッションでひっぱりだこの鍵盤奏者ギリェルミ・ゲーがユニットを組み、
ノエール・ローザ、ルピシニオ・ロドリゲス、アンジェラ・マリア、アリ・バローゾ、
ドリヴァル・カイーミ、チト・マジなどのいにしえのサンバを、
エクスペリメンタルなサウンドで生まれ変わらせるという企画には期待を寄せたのでした。

ところがねえ、これのどこがエクスペリメンタル?
古臭いクラブ・サウンド丸出しのプロダクションに、思いっきり鼻白んだのでした。
実験的との謳い文句に、ロムロ・フローエスやパッソ・トルトあたりを連想してたので、超落胆。
で、1回聴いただけでほったらかし、売っちまうかあなんて思ってたんですが、
期待が大きすぎたんですかね。あらためて聴けば、アンニュイなムードがイヤミなくにじみ出る、
カチア・Bの自然体な歌いぶりは、とてもいい感じ。

先進的なところなどみじんもない、オシャレなエレクトロ・ボッサ。
アート・リンゼイをゲストに迎えたウィルソン・バチスタの“Meu Mundo E Hoje” なんて、
いい仕上がりです。ほかにも、エグベルト・ジスモンチ、カルロス・マルタ、ジャルズ・マカレーが
ゲストで参加しています。
やっぱ古典サンバはメロデイがしっかりしてるから、どんなに料理しても魅力的ですね。

Coletivo Samba Noir "COLETIVO SAMBA NOIR" Samba Town 5.071.185 (2015)

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