ノルデスチ+ジャズ ジョヴィーノ・サントス・ネト
うわー、いいもん教えてもらっちゃいました。 ネット・ショピングで、「こちらもいかがですか」式のレコメンドも、 たまには素直に聞いてみるもんですね。大当たりの作品を見つけちゃいました。 ジョヴィーノ・サントス・ネト。 ぜんぜん知らない人だったんですが、サンプルを聴いて、ビビッときましたね。 なんでも、77年から92年までエルメート・パスコアル・グループで、...
View Article東アフリカのフランコ スーパー・ヴォルケイノ
「東アフリカのフランコ」の異名をとったタンザニアのギタリスト/バンド・リーダー、 ンバラカ・ンウィンシェヘ率いるスーパー・ヴォルケイノの単独復刻が、 ついに実現しましたぁ! う~ん、待望のリイシューですねえ。 東アフリカの音源復刻といえば、ダグラス・パターソンか、 ウェルナー・グレブナーのどちらかの仕事と察しがつきますが、...
View Articleビビり太鼓の迫力 マサンカ・サンカイ
太鼓と木琴の鈍く重い響きが打ち鳴らされ、溢れ出る倍音。 ヘヴィーなノイズとともに身体が共鳴して、 奥底の芯をじーんと揺り動かされるような快感をおぼえます。 「これぞアフリカのパーカッション・ミュージック!」という魅力あふれる一枚と出会いました。 マサンカ・サンカイは、コンゴ民主共和国南部のカサイ州、 ルバ人の伝統音楽ムトゥアシを演奏するグループです。...
View Article南ヴェトナム懐メロ集 ハー・ヴァン
南ヴェトナム時代を思わせるノスタルジックなデザイン。 化粧箱仕様のCDボックスという、凝った意匠にも目が止まります。 箱をひっくり返すと、裏には、車を降りて街路を渡る、 サングラスと白の洋装できめた男女の写真が載っています。 どうやらこの写真は、主役の女性歌手ハー・ヴァンと ゲストの男性歌手ダム・ヴィン・フンが扮しているようですが、 まるでヴェトナム戦争前の映画のワン・シーンのようですね。...
View Article蘇る70年代ソマリ・ポップ
アフリカン・ポップスの遺産で、埋もれたままになっている筆頭株の国といえば、 なんといってもスーダンですけれど、その次がソマリアでしょうねえ。 フランシス・ファルセトがエチオピア音楽を掘り起こしたように、 誰かこの2か国を手掛けてくれないものかと、長年思い続けてきましたが、 ようやくその兆しがみえてきましたよ。 やってくれたのは、フィンランド人コレクターのフレドリック・ラヴィック。...
View Article伝統ソマリ・ポップの名盤 ワーベリ
黄金時代のソマリ音楽のLPやEPは、いっこうに復刻されず、 CD時代になっても、ソマリ音楽が世界から注目されることはありませんでした。 ソマリ・ポップは、アフリカ音楽ファンにすら、長い間知られぬ存在だったのです。 内戦によってカナダや北欧諸国へ逃れたソマリア人移民社会の間で、 ほそぼそと自主制作CDが制作されていたものの、それを知る人は皆無でした。...
View Article白いボラ・デ・ニエベ ビセンテ・ガリード
素晴らしいピアノの弾き語りに、身体の力が抜けました。 この味わい深さは、そうそうあるもんじゃありません。格別です。 メキシコで「モダン・ボレーロの父」と呼ばれた作曲家のビセンテ・ガリード。 95年にリリースされたピアノ弾き語りアルバムを手に入れたんですが、 一聴で、魂を持っていかれました。 職業歌手ではない、作者だからこそ醸し出せる、滋味溢れる歌の数々。...
View Article1995年10月20日ヘルシンキにて マイケル・ブレッカー
自慢することじゃありませんけど、 マイケル・ブレッカーのソロ・アルバムは、1枚も手元に残っていません。 ブレッカー・ブラザーズ・バンドの時代から、ずっと聴いてきた人なんですけれども、ねえ。 その昔、買ってはがっかりして売り、その後も買っては売りを繰り返し、 いつの頃からか、もうリーダー作は持ってなくていいやと諦めちゃいました。 87年に遅すぎる初リーダー作が出た時は、...
View Article1200回目のクリスマス・イヴ
気がついてみると、もう1200回目の記事になるんですね。 エントリ数を意識していなかったので、1000回目も知らぬまに過ぎてしまいましたが、 57回目の誕生日を明日に控えたクリスマス・イヴに、 ブログのアニヴァーサリーを迎えられるのは、ちょっと嬉しい気持ちがします。 軽い気持ちでうっかり始めてしまった、1回目の2009年6月2日。...
View Articleタイ仏教歌謡のアイドル・デュオ ウタイラット・クースワン&ジャンジラーラッチクルー
まだ10代にも見える女の子二人が歌うのは、 ルークトゥンでもなければモーラムでもなく、なんと仏教歌謡のレーですよ! ついにレーにも、アイドルの波がやってきたってことか。 ルックスこそアイドルみたいですけど、歌唱力は驚くべき高さですからね。 ミャンマーのメーテッタースウェといい、最近東南アジアに仏教歌謡がきてますねえ。...
View Articleサハラに沈むジャズ・ハウス サン・ジェルマン
フレンチ・タッチ/ジャズ・ハウスのプロデューサー、 サン・ジェルマンことルドウィック・ナヴァーレの新作。 00年の大ヒット作“TOURIST” 以降、すごいごぶさた~と思ったら、 じっさいあれ以来の作なんだって。15年ぶりになるわけか。 クラブ・ミュージックのコーナーなんて、普段チェックもしないくせに、 こういう自分向きの作品とは、ちゃんと出会えるという不思議さ。...
View Articleマイ・ベスト・アルバム 2015
[DVD] Mizikopéyi “LIVE” Association 3.M. 3M-11201421 Ronald Tulle “RAISING” Cysta Management CM007-02 Mad-Kab-At-AshGate 「FUNNY BLUE」 アカオ AR001 Shaun Martin “7 SUMMERS”...
View Article作曲と即興の対話 ヘンリー・スレッギル・ゾーイド
あけましておめでとうございます。 年明け早々フリー・ジャズっていうのも、妙な取り合わせでしょうか。 ヘンリー・スレッギルの新作が出ていたことにずっと気付かず、 暮れぎりぎりに聴きながら、年間ベストに潜り込ませるのもためらわれ、 年明け第1弾とさせていただきました。 この新作2枚組、いつもと変わらぬスレッギル節が詰まっているんですけれど、...
View Articleベイ・エリアのジャズ・ギタリスト ジョン・ショット
ギター・トリオのアルバムなんですけど、 レーベルがジョン・ゾーンのツァッディークと知って、 すんごいラディカルな演奏をする人なのかな?と身構えていたら、 拍子抜けするほど正統派なプレイに、ありゃりゃりゃりゃりゃ。 ジョン・ショットは、ベン・ゴールドバーグ、T・J・カーク、チャーリー・ハンターとの共演や、 トム・ウェイツほかジョン・ゾーンのプロジェクトに参加してきた、...
View Articleエレクトロ・ボッサに仕上げた古典サンバ コレチーヴォ・サンバ・ノワール
カチア・Bとマルコス・スザーノがメンバーと聞いて、 へぇ~と思い、買ってきたものの、ロクに聴かずに放置したまんまだったCD。 暮れにCD整理をしていて聴き直したら、 そんなに悪くなかったので、あわてて処分候補棚から救出しました。 カチア・Bは、パリに渡ってクラブ・ジャズ系のミュージシャンと活動していた人で、 橋本徹のプロデュースで、J・ポップをボサ・アレンジにしたアルバムも確か出してましたね。...
View Articleポルトガルが遺した音楽文化をたどって
オフィス・サンビーニャの新作情報を見て、オドロきました。 ポルトガルのトラジソンから出ていた『ザ・ジャーニー・オヴ・サウンズ』シリーズが、 ライス・レコードからリリースされるとのこと。 もう15年以上も昔のシリーズですよ。 よくもまあ廃盤にならず、カタログに残ってたもんですねえ。 これ、素晴らしいシリーズなんですよ。 20世紀大衆音楽史に関心を持つ人なら、ゼッタイ聞き逃せないものです。...
View Articleティンデの伝説的歌手を迎えて ティナリウェン
前作も結局、記事を書かずじまいにしてしまったティナリウェン。 だって、もう、素晴らしいの一語につきちゃって、それ以外の言葉が出てこないんですもん。 新作のライヴも圧倒的で、今回もなんも書くことがないなあと思っていたんですけれども。 これまでDVDではライヴ盤があったものの、CDとしてはこれが初のライヴ盤。...
View Articleケリー氏族のハープ リーシャ・ケリー
古風なのに、フレッシュ。 そんな相反する要素を併せ持った魅力を持つ、リーシャ・ケリーのアイリッシュ・ハープ。 5年ぶりとなる新作でも、彼女のハープの魔力は変わることがありません。 チーフタンズ、クリスティ・ムーア、メアリー・ブラック、ドーナル・ラニー、シャロン・シャノンほか 数多くの名だたるミュージシャンと共演し、もはや若手と呼ぶにはふさわしくない、...
View Articleオカロランのメロディをたどって クレア・ケヴィル
ハープ・ソロに続いて、今度はクラヴィコード・ソロ。 う~ん、楽器の独奏アルバムっていうのも、いいもんですねえ。 じっくりと演奏と向き合えるのは、もちろんのこと、 演奏者の息づかいというか、緊張感が伝わってくるようで、 聴いているこちらの背筋も伸びるようです。 今回はアイリッシュのメロディと向き合っているわけで、 クラヴィコードという、いまどき珍しい古楽器の響きに、...
View Article新旧弦さばき インレー・ミン・マウン
「近頃の若いもんは…」。 つい、心の中で舌打ちした時は、ちょっと立ち止まって考えないと、アブナイんだよなあ。 感情にまかせると、あとで恥かくのはこっちの方だからねえ。 自分が長年慣れ親しんだ感覚と違う違和感は、 新しさへの反発にすぎない、単なる老化現象にすぎないことがほとんどだし、 そもそも、それは、近頃の若者のせいなんかじゃなくて、 昔にだってあったんじゃないか、ってことだってある。...
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