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20代のエスマ・レジェポーヴァ

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Esma Redžepova ZAŠTO SI ME MAJKO RODILA_ROMANO HORO.jpg

エスマといえば、ジプシー歌謡の女王としてバルカンはおろか、
全世界にその名をとどろかせた大御所。01年には来日もしましたね。
2000年代以降の世界的な活躍によって、ぼくもエスマを知ったクチですけれど、
若い頃の録音というのは、そういえば聴いたことがありませんでした。

本作は、エスマがまだ20代前半という、60年代のシングル盤を編集した2枚組です。
おそらくエスマにとって、もっとも初期の録音と思われますけれど、
後年の豪快なコブシ回しで圧倒させる歌声とは、まるで別人。
チャーミングな歌いぶりにはびっくりです。
うわー、若い時のエスマって、こんな感じだったんですね。

シナを作ったり、泣き声で歌ってみせたりと、
多彩な心象を歌の中に投じて歌うところは、まさしく演歌歌手そのもの。
な~るほど、こうして聴いてみると、ジプシー歌謡って、
美空ひばりや都はるみのような昭和の演歌歌謡と、
ものすごく近いものなんだなということが実感できます。

クラリネット、トランペットの管楽器にアコーディオンが絡みつき、
ダルブッカがパーカッシヴなビートを送るジプシー・サウンドは、
スローの泣き節から、アップ・テンポのダンス・ビートまで自由自在。
雑食性の強い歌謡性と匂い立つような大衆性が魅力の音楽ですね。

それにしても、11歳で地元スコピエの民俗芸能集団の歌手になったというのも、
なるほどとうなずけるバツグンのリズム感が、この初期録音からもよくわかりますね。
ミュート・トランペットが粋な、チャチャチャの‘Makedo’ のチャーミングな表情なんて、
サイコーじゃないですか。あの有名な「ハバナ・ギラ」もディスク2に収録されています。
ジャケット写真は、65年に旧ユーゴスラヴィア時代に出たLPから取られたもので、
若い時の目ヂカラのある美人ぶりに、思わず見入ってしまいました。

Esma Redžepova "ZAŠTO SI ME MAJKO RODILA / ROMANO HORO" Jugoton CD0222/2556

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