真冬の定盤、スティーヴ・カーンの“CROSSING” を今年もまた聴き返しているんですが、
http://bunboni58.blog.so-net.ne.jp/2011-01-21
アイウィットネス時代のスティーヴ・カーンのファンなら、
おぉ、これは……と、頬を緩めることウケアイの快作と出会いました。
ファビュラス・オーストリアン・トリオを名乗る、オーストリアの3人組です。
どういう人たちなのか、ぜんぜん知らないんですが、
ジャズ・コーナーの試聴機で耳にして、ぶっとんじゃいました。
スティーヴ・カーンのギターの最大の特徴は、個性的なヴォイシング。
独創的な和声のセンスを持っている人ですけれど、
このアレックス・マハチェクというギタリストは、
カーンと同じ資質を思わすコード使いを聞かせます。
アヴァンなセンスの楽曲も、スティーヴ・カーンと共通するセンスを感じさせるんですよねえ。
違いはテクニカルなギター・ソロでしょうか。スティーヴ・カーンは早弾きをしませんが、
アレックス・マハチェクは、アラン・ホールズワース風のスピーディーなソロを繰り出します。
ベースのラファエル・ポーシェ、ドラムスのハーバート・ピルカーも相当なテクニシャンで、
トリオとしてのコンビネーションも見事。
惜しむらくは、録音とミックスがこじんまりとしていて、
演奏のダイナミズムを十二分に伝えていないこと。
ライヴはもっとすごいんじゃないかな。ピットインあたりで観てみたいです。
Fabulous Austrian Trio "LIVING THE DREAM" Abstract ABLX051 (2015)