じじい、元気だなー。
ジョージー・フェイムつながりってワケじゃないんですけれど、
イギリスのジャズ・ロックの大ヴェテラン、ブライアン・オーガーの新作を聴いてみたら、
これがゴッキゲン! グルーヴィなサウンドに、ノケぞっちゃいました。
おいおい、オーガーって、もう70代半ばだよねえ。どーなってんのよ、このお盛んぶりは。
ジミー・スミスに感化された庶民的なジャズは、
エンタメ精神たっぷりのブライアン・オーガーズ・ミュージックの真骨頂。
十年一日、昔から何一つ変わるところのないオルガン・ジャズなのに、
これほどイキイキと響くのは、オーガーのミュージシャンシップが錆びついてない証拠でしょう。
個人的には、トニー・ウィリアムス・カルテットの一員として来日した、
78年のライヴ・アンダー・ザ・スカイが忘れられない人ですけど、
そんな記憶のある人は、間違いなくぼくと同じ、オヤジ/じじいだろうからなあ。
もっと若い人にとっては、ブライアン・オーガーを知ったのは、
レア・グルーヴ/アシッド・ジャズがきっかけなんでしょうね。
アシッド・ジャズ・ブームは、ブライアン・オーガーにとって再評価につながったわけですけれど、
昔からのファンにとってみれば、アシッド・ジャズじたいが、
オーガーたちがやってた70年代の焼き直しにすぎなかったから、正直シラけてましたよねえ。
そんなアシッド・ジャズ・ブームも、いまや昔話。
ずっと現場第一線でプレイし続けてきたオーガーにすれば、
世間がチヤホヤしようがしまいが、自分の信じる音楽を、実直にやり続けてきただけのことでしょう。
わかりやすくって、誰もが楽しめる音楽の敷居の低さと、
頑固一徹なアティチュードに、ぼくはヴェテランの矜持を見る思いがします。
Brian Auger’s Oblivion Express "LIVE IN LOS ANGELES" Freestyle FSRCD109 (2015)