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クラックラックスの新展開

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CRCKLCKS Temporary Vol.2.jpg

クラックラックスの『TEMPORARY』を絶賛溺愛聴中のところ、
わずか2ヵ月で新作EP『TEMPORARY VOL.2』を出してくるとは意外でした。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-11-05

「VOL.2」というタイトルに、ジャケットをモノクロに変えただけのデザインは、
なんだかリミックス・アルバムかダブ・アルバムかのよう。
そんなグラフィックに、続編的な内容とばかり思い込んで聴き始めたら、
いきなり冒頭の「かりそめDiva」で、イスから転げ落ちそうになりました。

コッテコテのディスコ・ナンバーで、えぇ? これ、クラックラックスなの??
全然違うバンドのアルバムをかけたのかと、ブッたまげ。
華麗なストリングスに(シンセだけど)、
ホーン・セクション(多重録音?)まで高らかに鳴るブギー・ファンクぶりは、
ミラー・ボールが目に浮かぶようなナンバーじゃないですか。
続いて2曲目の「IDFC」は、まるでPファンク。
小田朋美のヴォーカルに加工を施していて、
これまでのクラックラックスのイメージを打ち破りましたね。

新機軸は、まだこれだけでは終わりません。
小田朋美のヴォーカルが美しいスロウ・ジャムの「Crawl」。
弦セクションのゲスト起用も新たな試みですけれど、
なんと石若駿がドラムスを叩いておらず、プログラミングなんですよ。

最初聞いた時は、打ち込み使いに軽いショックをおぼえたんですが、
途中で、プログラミングからするっと石若の生ドラムスに変わるパートが出てくるんですね。
マシンと人力演奏を曲中で使い分けながら聞かせるアイディア、面白いなあ。
「IDFC」でもドラムスとパーカッションの絡みが面白いし、間奏で変拍子になったりと、
リズム・アレンジでもいろいろな工夫がみられます。

さらに『TEMPORARY』収録の「素敵nice」を、
思いっきりロックなヴァージョンに変貌して再演したのも、秀逸。
『TEMPORARY』にはなかった続きの歌詞が出てくると思ったら、
『TEMPORARY』のタイトルが「demo#01」となっていたことに、今頃気付きました。

いやあ、驚きましたねえ。
フル・アルバムの新作を出したばかりだというのに、
がらっと新たなイメージを打ち出すとは、彼らの才能は底知れませんね。
とはいえ、これだけ新機軸を打ち出したのに、
『TEMPORARY VOL.2』と題したのは、大いに疑問。
ちゃんとしたタイトルを付けるべきでしたね。

とにもかくにも。
『TEMPORARY』~『TEMPORARY VOL.2』~『ANSWER TO REMEMBER』の順で、
毎朝の通勤時は石若駿のドラムス三昧であります。

CRCK/LCKS 「TEMPORARY VOL.2」 アポロサウンズ APLS1913 (2019)

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