フリー/アヴァン系ミュージシャンとの共演が多いニュー・ヨークのベーシスト、
マイケル・フォーマネックの新トリオのメンツに、目を見張りました。
メアリー・ハルヴァーソンのギターに、ティム・バーンのアルト・サックスですよ!!!
いぇ~い! もうぼくのために結成してくれたようなトリオで、速攻いただいてきました。
マイケル・フォーマネックとメアリー・ハルヴァーソンは、
すでにサムスクリューというギター・トリオで演奏しているし、
マイケル・フォーマネックのラージ・アンサンブル、アンサンブル・コロッサスには、
メアリー・ハルヴァーソンとティム・バーンの両名が参加して、
大きな存在感を示していましたからねえ。
この3人によるトリオは、まさしく待望の顔合わせといえます。
マテリアルは、最後のスコット・ラファロの1曲を除き、すべてマイケルの曲。
コンポーズされた主旋律のあとで、3人が対等に即興しあっていくんですが、
三人三様、その即興が変奏であったり、装飾音を加えていくものだったりと、
それぞれアプローチの異なる即興を繰り広げます。
メアリーはコードに沿ったアプローチで、
メロディックなラインを長く取る場面が多いですね。
メアリーの十八番といえる、ぴよ~ん ♪ とピッチを揺らすエフェクティヴなプレイは、
今回は割と控えめかな。あの音、ディレイ・ペダルだけで出しているんですってね。
ティムはメアリーと並走したり離れたりしながら、異なる色彩を施していき、
時にぐんと浮上して破れた吹奏も聞かせます。二人とも手探りになったり、
ふらついたりすることがなくて、確固としたラインを紡いでいくところが、
めちゃくちゃカッコイイなあ。
マイケルは、メアリーとティムの背景となり、ゴンゴンとリズムをかたどるだけでなく、
時に前景となって二人を引っ張っていきます。二人の間に介入して、
次の展開への兆しを作ったりもしていますね。
即興の後には、またぴたっと3人が主旋律に戻る構成が、
バランスのとれた緻密な美しさがあります。
あぁ、メアリーのライヴ観たいなあ。この3人で来日してくれないものか。
Michael Formanek Very Practical Trio "EVEN BETTER" Intakt CD335 (2019)