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ヒップホップに宿る濃厚なクメールの味わい クラップ・ヤ・ハンズ

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Klap Ya Handz  2019.jpg

続くときは続くもので、ヒップホップの好盤がまたしても手元に。
アフリカから場所を移して、今度はアジア、
クメール・ヒップホップ、クラップ・ヤ・ハンズの新作です。

クラップ・ヤ・ハンズは去年日本初上陸して、カンボジア・フェス(@代々木公園)や
Soi48 のパーティで話題沸騰となりましたね。
ぼくは訳あって、どちらにも参戦できず、悔しい思いをしたんですが、
ライヴ会場で手売りされていたという、新作CDをようやく入手することができました。

クラップ・ヤ・ハンズを知ったのは、もう10年くらい前になりますけれど、
レーベル発足から7年の間のベスト・トラック集のMP3CDに圧倒されて、
いっぺんでファンになりました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2013-02-23
ただその後、音信が途絶えてしまって、どーしてるんだろうと思っていたんです。

MP3CDのヴォリュームには及ばない、37分程度のアルバムですけれど、
方向性にブレはなく、トロー・チェー(二胡)などの伝統楽器を使いながら、
古いカンボジア歌謡の味わいを色濃く残したトラックなどを聞かせます。

今回、特にグッときたのが、スレイリアックという女性歌手をフィーチャーしたトラック。
コブシを利かせ、クメール伝統歌謡のニュアンスを濃厚に感じさせる歌いぶりに、
イッパツでメロメロになりました。

彼女、クラップ・ヤ・ハンズと一緒にやる前には、
ビア・ガーデンなどでロ・セレイソティアやパン・ロンといった
内戦前の往年の名歌手のカヴァー曲をずっと歌っていたそうで、
クラップ・ヤ・ハンズにスカウトされてからも、
ヒップホップをやっている意識はないとのこと。

もともと今風の曲が好きになれず、
昔の曲が好きでカヴァーばかりしていたスレイリアックにとって、
自分が歌いたい歌を用意してくれるクラップ・ヤ・ハンズは、
うってつけのプロジェクトだったようです。

本作に収録されたスレイリアックの‘Sneha Knong Pel Reatrey’ は、
プロデューサーのソック“クリーム”ヴィサルが共同監督を務めた映画
“KROAB PICH” の劇中歌だとのこと。
この人、来日したメンバーの中にもいたそうで、あぁ、生声聴きたかったなあ。

長らく情報が途絶えていただけに、
変わらず活動を続けている様子がわかっただけでも大収穫。
ちょうどエム・レコードからも日本盤が出て、ますます注目が集まること必至でしょう。

Ouk & Yut, Vin Vitou, Jimmy, Nen Tum & Ago, Ruth Ko, Reezy, Shagadelac, Yuth, Sreyleak, Khmer Jivit, Vuthea
"KLAP YA HANDZ" KYP no number (2019)

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