電子音楽にうつつを抜かしていたら、
生音のパーカッションが爆裂する一枚に、ぶっ飛ばされてしまいました。
コロンビアはクンビアの老舗楽団、
ロス・ガイテーロス・デ・サン・ハシントのアルバムです。
もっともオーセンティックなスタイルの伝統クンビアを継承している名門楽団で、
太鼓の弾けるビートが生み出すグルーヴが、もう凄まじいんです。
タンボーラ、アレグレ、ジャマドールという大・中・小の太鼓に、
マラカスが絡み合うポリリズムは、単純な4分の2拍子を、
とてつもなく複雑なリズムに変貌させます。
複数のガイタ(縦笛)はメロディを奏でつつ、反復フレーズをループする
リズム楽器としての役割も担っているので、
とびっきりリズミックなサウンドになるんですね。
これぞ人力のパーカッション・ミュージックの醍醐味でしょう。
昨年の暮れ、6人組のソン・デ・ラ・プロビンシアのアルバムで
ひさしぶりに伝統クンビアを味わったばかりですけれど、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-12-03
あちらより楽団の人数も多く、迫力満点・野趣なクンビアの味を堪能できます。
全15曲77分超というヴォリューム感たっぷりの本作、
嬉しいのはフォークロアな伝統クンビアばかりでなく、歌謡化したクンビアも楽しめること。
アルバム終盤の2曲で、アコーディオンとエレキ・ベースが加わり、
ぐっと大衆歌謡寄りのクンビアをやっているんですね。
エレキ・ベースが♪ぶん・ぶん・ぶぱっ!♪と重く粘っこいグルーヴを醸し出し、
アクセントを付けているところなど、聴きものです。
Los Gaiteros De San Jacinto "TOÑO GARCÍA: EL ÚLTIMO CACIQUE" Llorona no number (2019)