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キュートな古典ショーロ オス・マトゥトス

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Os Matutos  De Volta Pra Casa.jpg   Os Matutos  De Volta Pra Casa  back.jpg

知らないショーロのグループ名に、ん?と思って、ジャケット裏の写真を見ると、
オフィクレイドを吹いているメンバーがいるのに、おおっ!
曲目の作曲者をチェックすると、エヴェルソン・モラエスの名があり、あ、やっぱり。
4年前大きな話題を集めた、
イリネウ・ジ・アルメイダの古典ショーロをよみがえらせたアルバムで、
オフィクレイドを演奏したエヴェルソン・モラエスが参加していたのでした。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2016-06-23

こりゃあ楽しみと、さっそく買って帰ると、プレイヤーにかけた途端、
身体の力が抜けました。
柔らかな管楽器の響きに、ほがらかなメロディ。なんてキュートなんでしょうか。
20世紀初頭のショーロを思わす古風な楽想に、頬がゆるみっぱなし。
これがいにしえの古典ショーロの再演なのではなく、
すべてメンバーが新しく書き下ろした曲ばかりなのだから、嬉しくなるじゃないですか。

9人編成のオス・マトゥトスは、エヴェルソン・モラエスのほか、
件のイリネウ・ジ・アルメイダ曲集に参加していたアキレス・モラエス
(トランペット、フリューゲルホーン)、ルーカス・オリヴェイラ(カヴァキーニョ)、
マルクス・タデウ(レコレコ)が参加、さらにトリオ・ジューリオの3人、
マグノ、マルロン、マイコンのジューリオ3兄弟もメンバーという、
古典ショーロを志向するメンバーが勢ぞろい。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2019-01-21

音楽監督はマウリシオ・カリーリョとアキレス・モラエスの共同作業で、
レーベルはショーロ専門のアカリ。
アカリって昔は、ジャコー・ド・バンドリン以降のショーロを
マジメに追及するレーベルというイメージが強かったんですけれど、
マウリシオ・カリーリョの関心が変わってきたからなのか、
近年はより庶民的でくだけた雰囲気の、古典ショーロを取り上げる機会が増えてきたのは、
とても嬉しい傾向です。

最近のショーロは、ジャズや現代音楽と結びついた尖った作品ばかり注目が集まりますけど、
庶民的なショーロの娯楽性を愛でるぼくとしては、芸術性に過度に傾くことのない
こういうキュートな古典ショーロが、どストライクなんでありますよ。

Os Matutos "DE VOLTA PRA CASA" Acari AR67 (2019)

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