インド洋のコモロにも、アフロビーツの波は来てるんだなあ。
コモロの若手シンガー・ソングライター、ダディポスリムの新作。
泣きのメロディが満載のクレオール・ポップで、めっちゃ美味なアルバムなんですが、
プロダクションのそこかしこから、アフロビーツが見え隠れしているんですよ。
これって、機材やソフトが同じだからなんですかねえ。
15年にデビュー作を出し、昨年出た本作が2作目。
コモロを代表するラッパー、シェイク・MCが設立したレーベルから出していて、
シェイク・MCも1曲で客演しています。
ヒップ・ホップR&Bのセンスをうかがわせるサウンド・メイキングと、
アンゴラをホウフツとさせる哀愁味たっぷりの楽曲がベスト・マッチングで、
コモロの新世代を感じさせる才能ですね。
ダディポスリムの甘いヴォーカルも、女子アピール度高し。
典型的なスウィート・ヴォイスの持ち主で、声も良ければ、歌い口も絶妙です。
子供の頃に大ファンだったのが、スティーヴィー・ワンダーと
サリム・アリ・アミールだそうで、スティーヴィー・ワンダーは納得感ありまくり。
サリム・アリ・アミールのようなターラブ・センスは、本作にはありませんけれど、
15年のデビュー作では、‘Mwandzani’ で発揮されていました。
レパートリーには、ダンスホール・レゲエやラテンなどもあり、サウンドはカラフル。
プロダクションが難だったデビュー作“TWAMAYA” からは見違えて、
アフリカン・メロウネスの極致ともいえるこのサウンド、
リシャール・ボナのファンにぜひ聴かせたいな。
Dadiposlim "HOLO" Watwaniy Production no number (2019)
Dadiposlim "TWAMAYA" Watwaniy Production 0026993-000005/6824.2 (2015)
Dadiposlim "HOLO" Watwaniy Production no number (2019)