10年のデビュー作以来、3年おきにアルバムを出しているプート・ポルトゥゲース。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2015-10-23
リル・サイントやマティアス・ダマジオが参加した、
16年の前作“ORIGENS” を取り上げそびれてしまいましたが、
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-06-03
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2018-11-24
4作目となる今作でも、マティアス・ダマジオの曲を3曲(1曲はプートとの共作)
取り上げていますね。
前作は、ストリート感たっぷりのルンバがオープニングでしたけれど、
今回はたおやかな弦楽セクションが導く、ボレーロ・ライクな
スローなセンバの‘Amigo’で、オトナっぽくスタート。涼し気なアコーディオン
(ライナーには「サンフォーナ」とクレジット)をフィーチャーして、
ドラムス抜きでディカンザとコンガがリズムを刻み、アダルトなムードを醸し出しています。
1曲置いて、3曲目の‘Se Um Dia’ は高速のセンバ。
スローな1曲目とは一転、この対比はうまい演出ですねえ。
終盤のルンバのセベンのようなギター・ソロのパートも、また聴きどころ。
前作でも大勢のプロデューサーを起用していましたけれど、
今作も1曲ごとプロダクションを違えるという、じっくりと手をかけた制作ぶりで、
アルバム発表が3年インターヴァルとなるのも、うなずけます。
アルバム全体を通すと、センバよりキゾンバの曲が多いですけれど、
人力演奏重視の姿勢は、デビュー作から一貫していますね。
クドゥロから転向した音楽家ゆえの、こだわりでしょうか。
生演奏のテクスチャーを前面に押し出して、打ち込みとのバランスもいい塩梅。
打ち込みのみのプロダクションは、アリィがゲスト参加したラスト・トラック1曲だけです。
プートの歌いっぷりも幅が広がり、絶好調なのがよく伝わってきます。
新作ジャケットのシブい赤の色使いもいいなあ。サムライという人のデザインとのことで、
脇に「侍」と漢字で書かれていて、どうやら日本びいきのデザイナーさんのようです。
Puto Português "ALMA" LS & Republicano no number (2019)
Puto Português "ORIGENS" LS & Republicano no number (2016)