C4・ペドロととっかえひっかえ聴いているのが、
アヴァーントの通算9作目となる新作。
そのせいか、R&Bなのに、キゾンバに聞こえる空耳が起こったりして。
それはさておき、今作のアヴァーントは、いいぞ。
これまでこの人のアルバムって、楽曲がなんかパッとしなくって、
どうもインパクトに欠けるきらいがあったんだけど、今回は違います。
あいかわらずメロディはシンプルですけれど、
オーセンティックなスロー・ジャムでまとめあげたアルバムには、
ハッとさせられる瞬間があちこちに散りばめられています。
トランペットが割り込んできた途端、急にテンポが落ちる
‘You Don't Love Me No More’ や、
‘All In My Head’ の心地良いギターのリヴァーヴ音。
ロバート・グラスパーが参加した‘Take It Slow’ では、
アクースティック・ピアノの音を加工してレイヤーさせたサウンドが、
なんともいえずメロウな浮遊感を生み出しています。
揺れるリズムと打ち込みのアクセントなど、昇天もの。
セックスがテーマの歌で、これ以上のサウンド表現はないでしょう。
スロー・ジャムのお手本のようなプロダクションです。
プロデュースは、前作に続いてトラヴィス・セイルズとのコンビで、
曲も二人の共作とクレジットされています。
シルキーなサウンドにのせた甘く滑らかな歌声も申し分なく、
アーヴァントの愛の世界に濡れましょう。
Avant "CAN WE FALL IN LOVE" Sono Recording Group no number (2000)