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ブラジル音楽黄金時代をアップデイトして バンボ・ジ・バンブ

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Bambo De Bambu  MÚSICA REGIONAL CARIOCA.jpg

良質のサンバ作品を送り出すフィーナ・フロールから、
また面白いアルバムがひとつ届きました。

男女半々の6人組、バンボ・ジ・バンブ。
グループ名をカルメン・ミランダが歌ったアルミランチ作のエンボラーダから
取っていることからもわかるとおり、
ブラジル音楽黄金時代のサンバ、マルシャ、マシーシをレパートリーとする、
生粋のカリオカのグループです。

結成は2000年代と古く、20年近い時間をかけて、ようやく第1作を作ったんですね。
自分たち好みの20世紀前半のレパートリーを少しづつ増やしながら、
グループが熟成するのをじっくり待ったのでしょうか。
アルバムをプロデュースしたクラウジオ・モッタが、実質的なリーダーのようです。

選曲がシブいというか、ツウ好みで、いわゆる有名曲はやっていません。
オープニングは、アラシ・コルテスが歌った28年の‘Baianinha’。
ほかにもアラシが歌った33年の‘Tem Francesa No Morro’ もやっています。
シロ・モンテイロが歌ったジェラルド・ペレイラのサンバ‘Você Está Sumindo’ や、
フランシスコ・アルヴィスが歌ったマルシャ‘Dama das Camélias’ など、
リオ下町のサンバの粋が詰まったレパートリーがずらり並びます。

メンバーによるギター、カヴァキーニョ、アコーディオン、パーカッションに加え、
フルートとチューバという高低音を受け持つ管楽器を上手に配しながら、
往年のオーケストラ・サウンドを小編成で効率よく演奏するところは、
ルイ・ジョーダンがビッグ・バンド・サウンドを、小編成のティンパニー・ファイヴで
やってのけたのに、通じるところがあるような。

メンバーの歌いぶりも、肩の力の抜けた自然体なところが現代的で、
いわゆるノスタルジック・サウンドの再現がネライではないことがわかります。
古くても今でも楽しめる曲を、今の感覚で歌っているという伸びやかさが、
すごくいいんですね。
あまり歌のうまくない(失礼)ゲストのクリスティーナ・ブアルキが、
アルヴァイアージのサンバ‘Pontapé Na Sorte’ ですごくいい味を出している
ところもまさにそれで、原曲のリンダ・バチスタの歌より、断然いいですもん。

伝統サンバの味わいが、こんなふうにアップデイトされるのって、理想的じゃないかな。
ほっこりとした温かなサウンドに、心和むアルバムです。

Bambo De Bambu "MÚSICA REGIONAL CARIOCA" Fina Flor FF205 (2020)

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